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ブダペスト旅日記

Last Modified 2000.1.4

4/11(日) プラハ(11:50)Q(12:50)ウィーン(13:40)Qブダペスト(14:35)

プラハのホテルから空港までは、結局ホテル・タクシーを頼むことにした。一定料金なので安心だ。ホテルの前に看板が立ててあって、「リムジン」って書いてあったのだが、どうやらこの国には私たちが思っているようなリムジン・バスは(少なくとも1999年現在では)ないようだ。単に空港から市内(もしくはホテル)間を走る車をリムジンと称しているようなのだ。

プラハからウイーン経由で飛行機を乗り継いで、やっとブダペスト到着。ブダペストのエアポート・タクシーはゾーン料金制なので、明朗会計。安心して乗れた。ホテルにも20分弱でつき、スムース・チェックイン。ここまでは気分上々の私と瑠璃ちゃんだったのだが・・・・・

部屋に入ると、なんと日本大使館からの注意書きが置いてあった。曰く、プラハはここのところ治安が悪くなり、うんぬん....

危ない場所は、地下鉄2号線、3号線、トラムの4号線、6号線、デアーク広場、ヴァーツィ通り、モスクワ広場、東駅周辺で、通常のスリの他、数人で囲んでナイフで脅す暴力的スリも横行している。ゆえに、貴重品はホテルのセイフティ・ボックスに預け、特にパスポートは持ち歩かないこと、etc.

今までいろんな国に行っているけど、大使館から注意書きが回ったなんて初めて! 治安が悪化しているってガイドブックに書いてあっても、どうせ大したことないよね、と思っていた私たちだが、これはもしかして大したことあるかもしれない。

なんといっても私たちの宿は治安が悪いといわれている東駅のすぐ側。貴重品いっさいがっさいを預け、ショルダーバッグをコートの内側にかけて東駅へ出かけた。行きたくはなかったが、ウイーンへの鉄道チケットを買いに東駅に出かけなければならなかったのだ。

東駅はほんの150mくらい先だが、かなりすさんだ雰囲気だ。瑠璃ちゃんとぴったりくっついて東駅の長距離チケット売場へ向かった。怪しい人が近づかないか、とにかく周りに終止目を配り、なんとかウイーンへのチケットを買う。

さて、フリーで旅行しているとまず訪れるのがツーリスト・インフォメーション。無料地図をもらったり、現地ツアーに申し込んだり、いろいろ便宜を図ってくれる場所だ。が! ブダペストのそれは、ちょっと違う。

「3日券ありますか?」に「No」、「オペラの券買えますか?」に「No」。もしもし、あなた達は無料地図を配る以外のお仕事をしているの? それにしても不思議である。地図にはいろいろと広告が載っているので、広告収入っていうのが入るだろうけど、それだけでは儲けにならないだろうに。いったいどうやって運営しているのだろうか?

この謎はさておき、3日券は地下鉄の駅、オペラチケットはオペラハウスに行かないと買えないと言われた私たちは、とりあえずすぐ近くの地下鉄駅へ向かった。

窓口の上を見ると「3日券、7日券、etc.」と書いてある。よし。が、窓口に座っているのはかなり老齢の女性。きっと英語は通じないだろう。ということで、持っているガイドブックの「3日券」(ハンガリー語で書いてある)のところを指さして、「これ下さい」と言った。

窓口の老婦人は、身振りで「ない」と言った。なんでよぉぉぉぉーーー、だってすぐ上に書いてあるじゃないの! 何度言ってみてもラチがあかないので、とりあえずホテルに帰ってフロントに相談することにした。

実は3日券はホテルで買えるんじゃないかという希望的観測があったのだが、やはり地下鉄じゃないと買えないそうだ。そして私たちが「券を売ってもらえなかった」と言うと、「地下鉄に大きな券売所があって、そこで買えるから」と言われた。「?」あれを大きな券売所と言うのだろうか? 窓口には一人のおばさんしか座っていないような所だったんだが。おまけに、ウイーンへのチケットを見せると、これには座席指定が別に必要だとも言われた。ああ、なんてこったい....

部屋で一休みし(私たちには休憩が痛切に必要だった)、再び東駅へ向かうと、この列車は座席指定券が必要じゃないということがわかった。

問題は、3日券だ。地下鉄駅の中をぐるぐる回ったが、ホテルマンの言った「大きな券売所」は見つからない。こうなったら、あのおばちゃんになんとしても売ってもらうしかない。もしやガイドブックの字が小さすぎたのか?と思い、こんどはメモ帳に大きな字で「3日券」と書いて、おばちゃんに見せた。おばちゃんは「ふむ」とばかりに券を取り出した。なーんだ、やっぱりさっきは字が見えなかったんじゃないの!

ちょっと高めの代金を請求されたが、だいたい現地の値段はガイドブックより値上がりしているものである。何の疑いもなく、その場はお金を払って券を手に入れた。

そして、ふと正しいチケットを売ってくれたんだろうか?と確認してみる気になった。それは3日券ではなく、

7日券だった..... 

ブダペストの1日は、まだ始まったばかりだった。

3日券と7日券の最大の差は、もちろん日数が違うことなんだけど、利用する点で大きく違うことがある。それは、7日券には写真が必要ということだ。ただ、ガイドブックでは券に写真を貼るよう書いてあったが、どうやら使用が変わったらしく貼る場所がない。裏に説明があって、「この券を所持するものは、求められたら写真の貼ってある身分証明書の類を提示しなければならない」になっていた。むむっ! 写真の貼ってある身分証明書って

パスポートしかないじゃんよ!

パスポートはむろん、ホテルのセイフティボックスの中だ。もって歩くなんてとんでもない。ほんの100m先の東駅へ行くんだって、危なくてしようがない街だ。一日中携帯してるのはもってのほか。それに大使館からも「持ち歩くな」と指示が出ている。

これは、パスポートのコピーでどうにかするしかない。一応鮮明なコピーを持っているので、「これを見ろ」というしかないだろう。

えーい、文句があるなら日本大使館に言え!

だわさ!


4/12(月) ブダペスト市内観光

ブダペスト2日目の朝は、オペラの券を買いにオペラハウスに行くことから始まった。説明を見ると、Box officeは1時から開くとのこと。それまで観光をすることにした。

それにしても、オペラハウスまでやって来て気づいたが、私たちが泊まっている東駅のあたりは、ひときわ危ない雰囲気だったのだ。他の所はそれほどでもない。でも、バスの中では地元の人もバッグに気をつけていたので、スリは本当に多いのだろう。

オペラハウスの比較的ご近所には、聖イシュトバーン大聖堂国会議事堂がある。どちらもブダペストの見所だ。大聖堂の塔は、徒歩でも上れるがお金を払えばエレベータで上がれる。楽できるところでは楽する方針の私たちは、もちろんエレベータを選んだ。階段はプラハでもう十分!

大聖堂の塔からの眺めはまずまずだったが、プラハよりも建物がボロいのが特徴だ。大聖堂自体も結構内部がはげている(修復中だけど)。

国会議事堂の外部は本当にきれいな建物という感じだが(ディズニーランドのお城みたい)、今日は多国の要人が来るらしく、内部は見れなさそうだ。明日また来よう。

その後オペラハウスに行ったら、チケットは売り切れ。フィガロの結婚という超メジャーな演目だからしかたないか...

さすがに疲れたので、Gerbeaud(ジェルボー)というカフェで休憩した。ここは実は有名なカフェらしい。内部がすごいおしゃれで豪華(ただし値段はやや高い)。ケーキもかなりの種類が置いてあって、おいしそうだった。

このカフェの近くにチケット屋があったので、クラシック音楽のコンサート券のことを聞いたが、売り切れ。ではオペレッタは?と聞いたら「ある」という。カウンターに座っていたのは、英語のできないおばちゃんだったが、ブダペストに来て初めてあった「熱意のある女性」だった。私たちは身振り手振りで話しながら、そのチケットを入手した。

「買えてよかったねぇ」などとノホホンと話していた私たちだったが、フト不安になった。確かめなかったけど、ちゃんと正しい日時で買えたんだろうか? その不安は現実のものとなった。

あっ、これ演目も違えば、日時も違うよ!

急いで店に戻った。「おばちゃん、これ違う!」 そう、おばちゃんは私たちがお金を持っていないと思ったのか、ちょっと安めのオペレッタの券を勝手に売りつけたのだった。うう、親切なんだがその日はもう私たちはここにはいないのじゃ。

無事チケットを交換してもらい、ブダ側に行くことにした。説明が遅くなったが、ブダペストは王宮が建っているブダ側と繁華街があるペスト側に分かれる。両者の間にはドナウ川が流れている。街の配置がプラハと酷似しているので、結構頭が混乱する。

で、ブダの丘なんですが、王宮はまったくなんと言うこともない建物だった。マーチャーシュ教会は、モスクに改装されたことがあるという数奇な運命をたどった教会で、そのため内部はかなり変わった雰囲気だった。あまりにも暗く、壁の模様などがキリスト教の教会風ではないのだ。ただマリア像はとても美しかった。


4/13(火) ブダペスト市内観光

早起きして国会議事堂に行ったのに、やはりガイドツアーはないようだ。昨日は(多分)外国の要人が来ていたせいだと思うが、今日閉まっているのは国会期間中のせいだろうか? 国会議事堂は行事に使われるときの他、国会開催中は内部見学がないのだ。(ただ外国人には国会開催中か否かなんてわからないので、行ってみるしか確認の方法はない!)

予定を変えて、明日行くはずのシナゴーグに行く。ビザンチン・ムーア様式でたてられたこのシナゴーグは、多分かなり普通のシナゴ−グとは雰囲気が違うんだろう。非常に細やかな装飾の、美しい建物だ。外観もきれいだが、内装も一見の価値がある。Museumが併設されていて、ユダヤ教のいろいろな道具は収容所の写真が見られる。

その後、ゲッレールト温泉に行ったが、いまいちどういうシステムになっているのかわからず苦労した。ハンガリーはトルコに占領されていたことから、温泉の習慣を受けついでいる。ヨーロッパでは珍しく裸ではいる温泉だ。

プールと温泉とマッサージという券を買って、まずプールに入る。着替えは鍵のかかる小さな脱衣所でする。中で着替えると衣類を置いて、外に出る。中の鍵は自分でかけられるのだが、外からは係の人にかけてもらわかなければならない。

タオルはレンタルできるが、自分で用意した方がいいのはゴム草履だ。プールの周辺を歩き回るのに、必要だ。慣れたものでみんなはちゃんと用意している。帽子はあればそれに越したことはないが、シャワーキャップでも全く問題ない。結構使っている人も多い。(女性はともかく、男性がシャワーキャップス姿で泳いでいるのはちょっと妙だが。)

ここのプールの最大の特徴は、水温がめっちゃ冷たいことだ。欧米人って寒さに対して鈍感だが、日本人には耐えられない。せっかくお金を払ったのにもったいないが、早々にプールから引き上げ温泉につかることにした。

プールから温泉へは間に扉があり、多分お金を払わずに入場する人を避けるためだろうが、鍵がかかっている。鍵を開けてもらうにはブザーを押して、係の人が開けてくれるのをしばし待たなければならない(決してすぐには開かない)。

さて、ガイドブックを見ると、温泉にはいるときはエプロンを渡されるとあるが、プール側から入場するとエプロンはもらえない。「どうしても欲しい」といえば、もちろんくれるが、このエプロンいったい何のために使用するかというと、前を隠すためのものだ。(プールに入っている人はバスタオルがあるのでエプロンは必要ないのだ。)

どうも隠す方がいやらしく見えるし、この小さな布でちゃんと前を隠せるのは若いナイスバディなお姉さん方だけで(日本人はたいてい大丈夫)、こちらのお年をめされてお肉が肥大された方々ではあまり役目を果たしているとはいえない。そこで私は言いたい。隠すならもっと大きい布を! さもなくば、堂々と裸で入るべし!

観光客は水着で入っている人もいて、なんだか変な感じである。しかも若いお姉さんたちはこんなにスタイルいいのに、なぜ年をとるとここまで太れるのか?っていうおばさまたちが入浴していて、大して面白くもない。

ここでも早々にお風呂から上がり、いざマッサージをしてもらうことにした。ところがマッサージ券を渡すと「1時間後にまたおいで下さい」である。あああ、どうやって時間をつぶしたらいいのか? 困ったことに、マッサージ券を買ったのは私だけで、瑠璃ちゃんはマッサージはしないのだ。ごめんね、瑠璃ちゃん、1時間もつきあわせることになっちゃって。

とても風呂とプールに1時間は費やせないと判断して、いったんここから出ることにした。出ると行っても「風呂&プール」ゾーンから出るだけで、建物の外には出ない。マッサージをしようという人は、待ち時間を確認した方がいい。

さて1時間後。私を待っていたのは何ともいえないマッサージだった。風呂屋のマッサージという言葉で何を想像されますか? 多分こりをほぐすマッサージだろう。ところが私が受けたマッサージっていうのは、おばさんに体を石鹸で洗ってもらう、っていうものだった。もちろん裏・表両方だ...... おまけに洗うなら垢擦り並にきちんと磨いて欲しいものだが、表面をさっと洗うくらい。ちょっとコリをほぐすマッサージもあったが、東洋式のつぼ押しマッサージに慣れた私には物足りないことこの上ない。トルコ習慣が根付いたにしては、だいぶ最初の形態とは変化してしまったのだろうか?

これはゲッレールト温泉だけなのかもしれないが、プールから入るといろいろやりにくい。温泉側から入った方が、着替えなどが楽なのだ。この洗うだけマッサージが物足りない人は、タイ式マッサージというのがあるのでそちらを試して下さい。

さて、温泉の後はオペラハウスの見学。何カ国語ものガイドが用意されているので、かなり親切だ。内部の写真撮影ができないのが残念だが、それはそれは華麗で優美なホールだった。

さて、夜は苦労してチケットを買ったオペレッタを見に行った。ガラ形式で衣装をちゃんとつけて歌っていたので楽しかったが、歌手のレベルは「ほどほど」というところ。

オペラの帰りは大きな問題だ。それでなくとも危険なブダペストの、かなり夜遅い時間。ホールのすぐ近くには地下鉄の駅があるが、大丈夫だろうか? 最初は地下鉄に乗るのを避けていた私たちだが、地下鉄を避けると観光がめちゃくちゃやりにくい。明るいうちは大丈夫よね、と昼間は乗っていたが、夜はどうだろう? 地下鉄で一番危険な状態は、乗客が少ないときだろう。だからオペラ帰りは案外安全かも知れない。みんなが一斉に帰れば、すくなくとも暴力的スリはおこらないだろう。

そう思って、地下鉄で帰るもくろみをしていたが、

一斉に帰るお客さんたちは、誰も地下鉄の方に向かわなかった

のである。

いくら何でも、誰も乗らない地下鉄に乗る勇気は、ない! 結局地下鉄駅を素通りし、ヴァーツィ通りを歩いて、バスに乗ることにした。バスがホテル近くの東駅で止まったときはホッとした。

コンサート帰りはどうするか? 私の体験から言えるのは、外から車内が見えるバスに乗っておきなさい!ってこと。なぜ皆が地下鉄に乗らなかったのかわからないけれど(もしかしてすぐ帰らず、一杯ひっかけるとかの夜の社交があるのかも?)、でも誰も乗らなかったんです!


4/14(水) 午前:ブダペスト

午後:ブダペストKaleti駅(15:25)via trainウィーン西駅(18:30)

ホテルをチェックアウトして、リスト博物館へ行った。特に音楽に興味があるわけではないが、彼が旅行に持っていった携帯ミニピアノ(ピアニカみたいなもの)や、あの時代のピアノなんかが見られて面白い。

その後ブダの丘へ向かい、鍾乳洞に入った。しかし、これを「鍾乳洞」って呼ぶのは間違ってやしませんかね? 日本語では「洞窟」と呼ぶのが正確でしょう。中はかなり暗くて、変な臭いがする。所々にいろいろなテーマの飾りがあって(だからほとんど人工のものなんです)、たまに道に迷ったりすることもあり、焦ったりなどする。普通日本人がもつ鍾乳洞のイメージを期待すると、がっかりすること間違いなしである。

さて、今日の、というかブダペストでの最大のミスは買い物時間を十分とらなかったことだ。鍾乳洞を見た後、鍾乳洞レストランっていうところで昼食をとり、ヴァーツィ通りへ買い物に出かけた。ところが案外「みやげ物屋」という感じのところがなくて(少なくともボーっと歩いていてぶつかるという感じではない)、「ああ、何を買おう」と悩んでいるうちにたいそう時間が押してしまった。「何もそんなに無理をして買わなくても」と思われるかも知れないが、両替しすぎてお金が余っていたのである。

ここで強調したいのは、ハンガリーのお金は余らせるとたいそう始末に困る、ってことだ。まず国外では両替できない。ふつう国際空港では海外の通貨が使用できるが、ウイーンの空港で「使えるか」と聞いたら断られてしまった。

そう、結局私たちはお金を使い切れなかったのである。おまけに、買い物に時間をとられて、ウイーンへの国際列車が出る東駅へスーツケースを持って走る羽目になってしまった。マジで乗り遅れるかと思ったキワドイ線だったが、何とか時間ぎりぎりに駆け込むことができた。ダッシュのせいで咳は出るし、汗はダラダラだし、腕は痛いし大変な思いをしたのだ。

ところが! ええ、私たちが時間の見積もりを間違えたのが悪いんですけどね、地下鉄のホームでも走りましたよ。ホテルに荷物を預けていたんで、ホテルまで走りましたよ。ホテルからは重いスーツケースを引きずって駅まで走りましたよ。階段ではスーツケースをボコボコぶつけながら、走りましたよ。なのに!

やい、電車! なぜ20分も出発が遅れるんだよ!

こうして、余らせたHungarian Moneyと「定刻って何?」っていう電車への怒りを共に、ブダペストを後にしたのである。

使い残したフォリント(ハンガリーのお金)を列車の車内販売で使えないかな、と思っていたけど、従業員が飲んだくれてしまって販売もへったくれもない。仕方ないのでウイーンのガイドブックを読んでいるうちに、列車はウイーン西駅へ着いてしまった。


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