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最終修正日:2000年1月9日

[前書き] [] [] [] [] [5]

仮名一覧Who is who ?
保子ちゃんツアーに1人で参加している女性
モモヨさんツアーの添乗員
ムスターファトルコ人のスルーガイド


kazari.gifうーさん、タクシーに乗る

 頼んだタクシーはすぐやってきた。後部座席に乗り込むと、「パムッカレ、プリーズ」で出発。メーターは前のちょっと低いところにあるので、見えにくい。最初から結構な数字が並んでいてゲゲゲとなるが、なにせトルコは桁の多い国なのだ、むやみにビックリしてはいけない。びっくりしてはいけないが、最初1桁間違えて読んでしまって、「えええぇぇぇぇーーー」とびっくりしたのは私である。

 メーターが入っている場合、数字の上がり方がちゃんとしているかが次のチェックポイントになる。しかし初めて乗るのだから、ちゃんとしているかどうかなんてイマイチ分からないではないか。とりあえず定期的に前を覗いて、数字が急上昇していないかだけチェックする。

なんか、この人、大丈夫そう。

 とりあえず安心してホケっとしていたら、運転手が「どっちのパムッカレに行きたいのか?」と聞いてきた。

なぬ?

 どっちのパムッカレってどういうことよ。ムスターファは昨日石灰棚の所で「パムッカレと言えばここだ」って言ったから、安心して出てきたんじゃないの。私は道案内なんてできないぞ。

 私は顔いっぱいにマークを浮かべ、石灰棚の写真を見せた。「ここに行きたいの。」 運転手は「Oh! Terrace Pamukkale. OK!」と車を走らせた。パムッカレは2つあって、私が行きたかった石灰棚はTerrace Pamukkaleといい、もう一つはパムッカレ・モーテルを指している。このパムッカレ・モーテルは石灰棚の向かいにあるヒエラポリスという遺跡の中にあって、大理石の柱が横たわるプールで有名な場所だ。

 車をちょっと走らせると料金所のような所があり、2人分の料金がかかると言われた(私と運転手の分)。

えええぇぇぇぇ、お金取るの?

 そっか、そりゃあ取るよな。あれだけの物が無料ってことはないだろう。でも昨日来たときはバスが料金所で停まらなかったので、その存在すら認識していなかったのだ。多分観光バスは何かのマークをつけているかで、ノンストップで入場できるようなシステムになっているのだろう。

 こうしてタクシーは無事石灰棚に到着した。帰りはうまくタクシーが拾えるかっていうのが不安の一つだったが、運転手は「何時にタクシーに戻ってくるのか?」と聞くので、待っていてもらえるようだ。○時に戻ると言うと、「じゃあ、私はあそこで待っているから」とタクシーの客待ちスペースを指さした。なあんだ、あそこにタクシーが何台も停まっているじゃない。お金を節約したい人は、もちろんタクシーに待っててもらわない方が安上がりである。

 さて朝の石灰棚は、もちろん夕方のより

光線が強いので、本当に真っ白で雪景色のよう。

 昨日は日本人がたくさんいたのに、今朝はなぜか外人さんばっかり。今来ている人たちは、昨日の夕方来た人よりチョットお得ね。また裸足になってひょこひょこ石灰棚を歩く。きれいだ、でも足裏が痛い。



turkey14.jpg遊牧民のテント

kazari.gifトルコのおもてなし

 わりと有名なことだが、トルコ人のお客のもてなし様はちょっとすごい。イスラム教ではお客はもてなさなければならないもの、とかいう戒律があるらしいが、それにしたって不思議である。

 ツアーで旅していると、そうそう普通の人によるもてなしを受けるわけではないと思っていたが(多分個人で旅行するとそういう機会がもっとたくさんあるだろう)、2度ほど機会があったので紹介する。

 1度目は、アンタルヤへ移動中のこと。道の脇にテントのようなものがあったので、ムスターファに聞くと「遊牧民のテント」だそうだ。「中に入ってみたいですか?」と聞かれたので、皆でうんうんと答えた。幾つかあるテントの一つの前にバスを停め、「じゃあ入りましょう」とムスターファが言った。

 ツアー客+ムスターファ+モモヨさんで、総勢19人がゾロゾロとテントにおじゃました。最初はツアーで契約している人かな、と思ったのだがそういうわけではないらしい。といって、テントの住人がムスターファの知人だったわけでもない。約束があったわけでもない。全くの通りすがり。テントは母親と息子の2人住まいで、そこに定住しているということだった。いきなりやって来た私たちに、母親はリンゴ茶をふるまい、いろいろ話を聞かせてくれた。これほど多人数の茶器があるというのが、まず不思議である。

 彼女は編み物などを売って生計を立てているのだが、こうしてもてなされたからといって何かを買わねばならないということではない(とムスターファは言う)。お返しを美徳とする日本人としては、これだけしてもらったのに何も返さないのは心苦しい。だからといって、彼女のもてなしにお金を払ったりするのはダメなのだそうだ。

 編み物製品を買うのはいい。それはあくまでも売買だから。だけど、ただお金を払うのは良くない。それは彼女のためにはならないのだ。

 結局お茶をごちそうになって、「テシェッキュル(トルコ語でありがとう)」と言ってテントを後にした私たちである。トルコでは普通の習慣なのかもしれないが、なんかすっきりしない気分。多分日本からフラフラ遊びに来ているような人が、自分たちより生活が苦しいであろう人に何かしてもらった、っていう後ろめたさなんだろうね。

 もう一度は、ムスターファが「僕の親戚の家に行きませんか?」と言い出したことから始まる。その家はムスターファのいとこの家にあたるのだが、彼自身もう何年も訪ねたことがないらしい。さすがに事前連絡はしたようだ。

 小さい町の小さい家だったが、絨毯敷きのテラスがあってそこに再び総勢19人が詰めかけた。いとことその旦那さん、旦那さんのご両親の計4人も混ざり、ぎゅうぎゅう詰めの状態だが、チャイと手作りのお菓子やパイで歓待してくれた。用意するの大変だっただろうなぁ。

turkey21.jpgおもてなし料理
食べたかったS


 いとこの女性が手作りの手芸品を見せてくれたり、花嫁道具を見せてくれたりしている間に子どもたちも帰ってきた。「あ、どーも」じゃなくて「メルハバ」とご挨拶。トルコ語でこんにちはの意味だ。そのうち、その家の親戚の人までやってきた。これはおもてなしのためなのか、日本人が珍しいのか? ムスターファは「この町に日本人が来たのは初めてです」と言っていたが。うーん、そういえば向かいの家の窓からご近所さんがこっちを見ている。

 でもねぇ、私この時具合が悪くて、お茶をいただいただけだったの。お菓子とチーズ・パイ美味しそうだったんだけどなぁ。シクシク。


kazari.gifみんな大変!

 それは徐々に、そして着々とやってきた。

 某奥様が夕食の席で、いきなりスイカをお皿にのせて食べはじめた。

 「あの、どうされたんですか?」

と聞くと、お腹の調子が悪いということだ。まだトルコに着いて3日目のことである。その日から、1人2人3人・・・・・・・とお腹の調子を悪くする人が出始めた。私は3日目の夜に少々具合が悪くなったが、どうやらそれは脱水気味だったせいで、スポーツドリンクをのんで一晩休んだら治ってしまった。

 バスの旅でお腹をこわすと大変だ。トイレがついていればまだしも、私たちのバスにはなかった。幸い皆さんの下痢---と日本語で言うとあまりにもあからさまなので、以下暗号で「ブラック・ジャック」と呼ぶ---は、それほどひどいものではなく、つまりトイレ休憩のたびに行けば何とかなる程度だった。

 トルコで具合が悪くなったときに食べられるものは少ない。スープとパンとお茶くらいだ。後はスパイスの効いた食べ物と、トルコの水で洗われたフルーツしかない。トルコではフルーツがよく出たが、実はこれが「ブラック・ジャック」の元という説がある。本当のところは定かではないが、早く治そうと思ったらパンとお茶だけにしておく方がいいようだ(さみしー)。

 さて、いったん調子をくずした私だが、その後は絶好調で旅半ばを迎えた。アンタルヤ---地中海に臨むリゾート都市---では、クルーズを楽しんだ。楽しんで帰ってきて、夕食までの時間が少し空いていたのでちょっと休んだあたりから、空模様が怪しくなってきた。起きると、

あれー? なんか具合悪いみたい。

 だるくって、食欲がなくて、おまけにちょっとお腹がゆるいんじゃありませんか? 夕食には行ったが、ほとんど食べずに部屋にひきあげる。夕食の席では、ツアーに参加している若い姉妹もやはり「ブラック・ジャック」に苦しんでいた。なんだか寒気もするよぉぉ。

 翌朝も朝食は抜き。下手に食べるとよけい具合が悪くなりそう。それにぜんぜん食欲ないし。その日の観光はペルゲの遺跡に行くことになっていた。調子が悪いながらも何とかなるかと思っていた矢先のこと。ペルゲの遺跡はかなり奥行きがあって、長い通りを奥まで行くと、川の神様の像が見れるということだった。

テクテク歩く。 てくてく、 てくてく。

 なかなか行き止まりにならない。まるで天安門広場のようだ。あのときも、向こう端まで近いかなと思ったら、行けども行けどもって感じだった。

 そして、やっと端まで届いたときには、すっかり疲れはてていた。もうダメ。すぐ引き返そう。再び、てくてく。なんだかとても辛い。それに手足がしびれてきたんだけど。でも途中で休んだら、立ち上がれなくなりそうだ。何とかバスまで戻ったが、起きていられなくなったため遺跡は1つパスして、バスの中で横になっていた。

 どうやら熱があるらしいことになって---変な言い方だが、自覚がなかったので---、解熱剤を持っているというおじさんが分けてくれた。胃薬と、「ブラック・ジャック」の抗生剤つきだ。そう、私も昨夜から「ブラック・ジャック」の洗礼を受けていたのである(ひどくはなかったけど)。ああ、インドの二の舞?



turkey17.jpgメヴラーナの霊廟で体を清める人々


kazari.gif油断はならぬ、最後まで

 一時は危ぶまれた健康状態も、おじさんに分けてもらった薬をのんでバスで寝ていたら快方に向かった。具合が悪いところを歩きすぎたため、かるい貧血状態になったのかもしれない。ここで一句。

持つべきものは医者の知り合い。

 そのこころは、やはり市販の薬は効かないってこと。今回のツアーに参加した人たちは、皆旅好きな人ばかりで装備も万全。薬の用意もよくて、

 「そのお薬、どうされたんですか?」

と尋ねると、やっぱり友人/知人/身内のお医者さんに出してもらっている。この旅行記を読んでいる方の中にはまだ若くて健康に自身のある方もいらっしゃると思うが、

「若者よ! 健康を過信すべからず」

である。日本人がツアーでよく使うホテルでは、ロビーとかレストランのあちこちで「正露丸が・・・・ムニャムニャ」という声を聞いた。モモヨさんが別のツアーの添乗員から聞いた話では、若い人から発病しているってことなのだ。年輩の人はちょっと具合が悪いとすぐ薬を飲んでしまうので、あまり悪くならない。逆に若者は・・・・・

 実際に我がツアーでもっとも元気だったのは、年輩の女性4人組であった。彼女たちは携帯用ポット持参で、ホテルでの朝食をパスしておにぎりを食べたりしていた。たまにお腹を休めてやることも大切かも。トルコで得た旅行教訓の最大のものがこれだ。次にエスニック料理の国に行くときは、絶対携帯湯沸かしと日本食を持っていくことにしよう。(日本食を食べたいとは思わないけど、具合が悪くなったときに外国で食べられるものが少ないんだよね。)

 っていうことで、一見元気にしていた「あの人」や「この人」も水面下で何がしかの不調に苦しんでいたようだ。モモヨさんも薬を多めに持ってきたが、「これほど使うとは!」とびっくりしていたくらいだから。

 それから、最後の最後まで油断してはいけません。最後の最後になって具合を悪くして、空港で医者にかかる羽目になってしまった人もいるので。なにせ日本までの道のりは遠く、今現在医者にかかるほど悪くないとしても、機内で悪くなったら・・・・・? ちょっと考えたくないシテュエーションだよね。

 最後にインドとトルコで「ブラック・ジャック」した私からのアドバイス。

  1. お腹の調子が悪いときは、無理して食べない。食べるとよけい悪くなる。連れがいると心配して「ちょっとでも食べたら?」とか勧められるが、食事をしない方が早く治ります。

  2. そのかわり、水分はたっぷりとる。ただし胃の調子も悪いと、水はけっこうキツク感じる(もちろんミネラル・ウォーターでも)。そういうときは、スポーツドリンクが良い。液体のドリンクをかついでいくのは大変なので、水に溶かす粉末のスポーツドリンクの素を持っていきましょう。出てしまった成分を効果的に補給できる。

  3. 生水は飲まない。ミネラル・ウォーターを買おう

  4. 完璧を期すなら、生野菜や果物も避ける。現地の水で洗われているから、危険なのだ。

  5. 上でも書いたけど、ときどき日本食を食べて胃を休める

いろいろあったけど、ツアー参加者のみんな、添乗員さん、ガイドさんにも恵まれて楽しい旅だった。

>これからトルコへ行く人へ
Have a nice trip!

>トルコへ行ったことのある人へ
あなたの旅の感想を聞かせて下さいね。


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